MIKROCKと僕〜開催を決意するまで
お世話になっております。三国ヶ丘FUZZ店長の西岡です。
先日、三国ヶ丘FUZZが主催する野外イベント『MIKROCK EXTRA’21』の開催を発表いたしました。出演してくれるアーティスト、応援してくださる方、関心を持ってくださってる皆さま、本当にありがとうございます。
今回は、SNSでは載せきれないMIKROCKに向けての気持ちを書いていきたいと思います。よろしくお願いします。
西岡です。三国ヶ丘FUZZで店長、難波BEARSでPA。
絵を描くのが好きです!
バンド→「コロコロボンボンズ」でDr&Vo「楽しんでいこうや西岡と狂ったチワワズ」で
Gt&Vo。最近はソロライブもやってます。
MIKROCKと僕
まず、MIKROCKが始まったのは2015年です。当時の僕は入ったばかりのPAスタッフ、それも見習いも見習いで、当時の店長・田原さんから野外イベントを開催するという話を聞いても「まあ何か手伝えることがあれば参加したいな」程度に思っていたのですが、まさかのサブステージPAを任されることになってしまい、とにかく経験不足を補うべく足と脳みそをフル回転させ無我夢中で乗り切った記憶だけがあります。
当初のMIKROCKは堺東駅近くの堺市役所前で開催していて、2017年は大浜公園(この年の開催がきっかけでMIKROCKや三国ヶ丘FUZZを知ってくれた方も多くいらっしゃるかと思います。)2018年も大浜公園で開催し、2019年は会場を大泉緑地に移して開催してきました。2019年は天候が悪く足元がぬかるみ、一生分のミミズを見た日として強く印象に残っています。ミミズ達もさぞかしびっくりした事でしょう。
そして2020年はご存知の通り新型コロナウイルスが猛威を振るい、各種フェス・サーキットイベントが開催を断念する中、MIKROCKもご多分に漏れず開催できず終わってしまいました。
開催を決意するまで
この年、MIKROCKが開催できないと決まった時、僕は特に何も思いませんでした。店長になり、FUZZの存続自体が危ぶまれクラウドファンディングをし、それどころではなかったというのも勿論ありますが、MIKROCKは前店長・田原さんの描いた夢であり、一介の音響スタッフとして参加していた僕にとっては「超しんどいイベント」という印象しかなかったんです。
しんどいエピソードを一つ披露すると、前日の夜の仕込が朝9時から夜の2時まで続いて、当然、深夜の公園には明かりもないので僕の車のハイビームで公園のステージを照らし、楽器や音響機材を先輩のPA高原さんと二人きりでステージに載せる。ギターアンプのキャビネットを持った時にそのあまりの重さに心身共に限界がきて「明日やりましょ~~今日は帰らせてください~~~」と涙ながらに訴えるものの、先輩PA高原さんは逆に疲労でハイになっており「いやぁ今日全部やっちゃいましょう!!」とバキバキの目で言っていて、その目のバキバキ具合を見た時に、あ~コレは無理だ…やるしかないんだ…。と理解した記憶があります。仕込み終わり、僕はお風呂だけ入りに家に帰りましたが高原さんはそのまま公園で寝て翌日PAしていた。
そんな記憶もあり、どちらかというとやりたくない寄りの気持ちだった僕が何故MIKROCK番外編を開催に至ったのかですが、僕は店長に就任してからは自分でもイベントを企画し、絵を描くのが好きなのでフライヤーを描き、FUZZという場所の魅力、ライブハウスの楽しさを自分の思いつく限り発信してきたつもりです。いいバンド、いいフライヤー、いい音・照明があればきっと事態はよくなっていくと信じていました。ですが現実はそう甘くはありませんでした。やはり自分達のようなずっとライブハウスで遊んできた人間の感覚とそうでない人の感覚には思ったよりも乖離があり、「ライブに行く」という事は僕たちが思うよりもハードルが高い行為なのだな痛感しました。
「今日の出演者、全員超カッコよかったな。こういう日にお客さんがいてくれたら最高なのにな…。」と悩む僕「全然呼べなくてすみません」と謝るアーティスト。うわ~カッコいいんだから謝らないでくれ、と思うんだけど流石にこの動員のままじゃFUZZが潰れてしまう…。どうすればライブへのハードルを下げることができるんだろう?と考えた時にふと、自分自身がライブハウスに遊びに行くようになる前、ライブとの出会いの原体験ってなんだろうって思い返してみました。一番古い記憶はやはり無料ライブでした。学校の先生に連れられたマラソン大会の傍らで開催されていた野外ライブ。今となっては誰がどんな曲を演奏していたのか覚えてはいないのですが、録音されたものではない音を聴いた衝撃と興奮は今も消えずに残っていて、その魅力にとりつかれて今もライブを企画したり、見に行ったり、自分でもライブしたりしてるのかなと気付きました。
生活とライブ文化の交差点に
ライブ文化を、ライブハウスを好きになってもらうには、気軽に、あるいはイレギュラー的にライブと出会える場所がもっとあるべきだと思ったのです。そして幸運にも三国ヶ丘FUZZには前店長・田原さんが遺してくれた、そのための場所があるじゃないかと気付いたのです。MIKROCKです。MIKROCKが生活とライブ文化の交差点となり、そこに居合わせた人の何人かがバンドを始めたり、ライブを見に行ったり、企画をしてみたりと堺の音楽文化の未来が動きはじめたら素敵な事だなと思っています。
かくして僕のなかで無料野外イベント開催への気持ちが高まり(結果的に金額自由のカンパ制とさせていただきました)、そして来年以降MIKROCK完全復活へ向けて『MIKROCK EXTRA’21』の開催を決意したのでした。長くなってしまいましたが以上が開催の動機です。
今回はMIKROCKと僕との出会い、思い出、MIKRCOK EXTRA’21開催までのいきさつをお話させていただきました。お付き合いいただきありがとうございました。
開催まであと少し!今後も何かと発信していきますので興味をもっていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。公式グッズの購入でご支援いただけると更に嬉しいです。何卒よろしくお願いします!
西岡
MIROCK EXTRA ’21
https://mikrock.fuzz-mikunigaoka.com/
おまけ
※2019年の思い出を描いた4コマ