イベンターインタビュー「MISAKI」


関西を中心に活動の場を広げるライブイベント「幾何学模様」が今年の11月に4周年を迎える。
現在は三国ヶ丘FUZZを拠点とし、コンスタントにイベント企画を続ける代表、MISAKIに
これまでの幾何学模様から、その先の目標まで、インタビューに答えていただく機会をいただいた。

INTERVIEWER

FUZZ MEMBER : ゆう

2018年よりステージスタッフとして勤務、

現在はブッキングスタッフとしてイベント制作を手掛ける。
自身も“ミライノオト”としてアーティスト活動に励み

「ライブハウスの魅力」を伝えるために日々奮闘中。

はじめに


-この度はインタビューにご協力いただきありがとうございます!
まずは自己紹介をお願いします!

「ライブイベント「幾何学模様」代表のMISAKIです。よろしくお願いします!」

-よろしくお願いします!
まずは、これまでの幾何学模様についての紹介もお願いできるでしょうか?

「はい!幾何学模様は「アーティストのなりたい姿を応援する」をコンセプトに掲げ開催する、関西の若手バンドを中心としたライブイベントです。2018年に京都で初めて開催して…私が高校2年生のときでした。」

-もともとイベントを企画しようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?
「きっかけは、もともと高校生の時にバンド活動をしていて、イベントに出演する機会が多くありそこで友達と「企画とかしてみようよ」という話が生まれたことでしょうか。何というか、ノリですね…(笑)」

-バンドをやっていたんだ。最初からイベンターを目指していたわけではなかったんですね。
「そうなんです。自分のやってたバンドの知名度が上がったらいいわ!くらいの気持ちのノリで、続けるつもりもなく1回で終わらせるつもりだったんです。
でもいざ開催してみると、そこには自分の作った場所でいろんな人が楽しんでいる空間があって…すごく素敵だなと思ったんです。
いろんな人が楽しんでくれているところを後ろから見ているのが、すごく気持ちよくて楽しくて。その楽しさがライブでパフォーマンスしているときの楽しさより上回ってしまって。そのときに、続けていこうと決めました。」

-その楽しさは、ライブハウススタッフからしてもすごく共感できるし、嬉しいことです。
ただこれ…(いただいた資料を見ながら)vol.1が2022年10月開催、続けていこうと決めてからvol.2が12月開催。
2019年に入ってからもかなり短スパンの開催で、年間合計10本…しかも毎回たくさんの出演数を確保しながらだと、すごく大変だったんじゃないでしょうか?

「今見ても、このときの自分よくやったな…と思います(笑)
2019年に高校三年生になって、学校の授業もあったんですけど…その頃には「イベンターになりたい」という道が明確に見えていたので、指定校推薦で進学を決めてイベントに力を入れていました。ちょっと頑張れよ、くらいの進学校に通ってたんですけど、勉強はそっちのけでした…(笑)
でも本当に挫けそうになったときもありましたね。1、2回目はうまくいくんですよ、知り合いのバンドも出演してくれたし…でも3、4回目となると…しんどくなってきて。
当時はオリジナルバンドは少なくて、学生のコピーバンドを中心に開催していたんですけど、急なキャンセルがあったり…あとは、うっかりテスト期間とイベントを被せてしまったときなんかは、死にそうになりながらブッキングしていました…(笑)」

-すごい行動力だと思うし、幾何学模様に対する気持ちが存分に伝わってきます。
イベント開催を継続するということは本当に楽しいことばかりじゃないし、苦しくなる時もあると思いますが
それでも頑張ってきた結果があるから続けてこれてると思うし、今の幾何学模様があるのだと思います。

「幾何学模様×三国ヶ丘FUZZ」


-幾何学模様はずっと京都、滋賀で開催されてましたが、もともと大阪で開催したいと言った気持ちはあったのでしょうか?
「ありました。私が京都出身なので京都、滋賀で開催していて、大阪のバンドに来てもらったりしていたんですけど、京都でずっと利用させていただいていたライブハウスさんのキャパが合わなくなってきたりしたのもあって、少しづつ大阪に拠点を移したいなと思い始めてましたね。」

-なるほど。大阪ではライブハウスの数がとても多いですが、FUZZで開催する決め手はなんだったのでしょうか?
「以前からFUZZの名前を聞いたことはあったのですが、初めてお客さんとしてFUZZでライブを見に来た時に、音響も照明も、広さもめっちゃいいなぁと思って…
幾何学模様にも出演していただいていた友達がFUZZでライブをしていて、それを見に行ったときですね。
そこで山中さんにお会いして、”やりたいことがあって”とお話ししたら、じゃあ日程決めよ!って言ってくださったんで…(笑)
あの一言がなかったら、もしかしたら曖昧なままズルズルいっちゃてたかもしれなくて…そのおかげで今も続けてられてます!
そのときが昨年の7月で、コロナ禍で開催できてなかった幾何学模様を復活させたいなと考えていたところで….全てのタイミングが良かったですね…(笑)」

-そう言っていただけて本当によかった。お互いチャンスだと思ったし、僕はやってみたい気持ちがあるならとりあえず決めてから考えるスタンスなので…
堺は京都からも遠いのに、わざわざ選んでいただけて光栄です。

「そうですね…でも、私は堺の音楽シーンがアツいと思っているんですよ。ミナミの方もアツいんですけど、より味濃いバンドがいるというか、そういう雰囲気も好きやったりして。後は同じくらいのタイミングで堺Tick-Tuckのスタッフさんからも「ウチ使ってよ!」と連絡いただいていたので、じゃあもう堺に幾何学模様の拠点を置こう、となって。Tick-Tuckには以前バンドをやっていたときに出演させていただいたことがあって、親交があったんです。」

-音楽シーンで堺を選んでもらえるのが、FUZZのスタッフとして、堺の人間として本当に嬉しいです。間違いなくここにしかないものはあるので。
大阪での開催を初めてから、手応えなどはいかがでしょうか?

「めちゃめちゃ手応えを感じてます!堺に移った昨年11月からの1年間で、イベントの数も多く開催できたし、
そこで「売れてほしい」と本当に応援したいバンドさん、思い入れの深くなったバンドさんにも出会えて、そういった感覚から自分の夢が広がってきて。
それ以外にも、企業さんからお話をいただく機会があったりだとか…この1年でとても成長できたんじゃないかなと思っています。
先ほどお話ししたようにしんどかった時期はあったんですけど、11月に復活してから今までは楽しいことばかりで、好きでできていて…自分が好きでやってて、そこで楽しんでくれる人がいるという現状を、すごく幸せに思います。」

「アーティストのなりたい姿を応援する」


-幾何学模様は「アーティストのなりたい姿を応援する」というコンセプトを掲げている、とお伺いしましたが、これは活動初期の段階からあったのでしょうか?
「このコンセプトは最近できて…それこそ、コロナ禍での活動休止から復活したここ1年くらいでちゃんと作り直したものなんです。
前までは”音楽でつながりを作ろう”みたいなコンセプトがあったんですけど、それ、どこもやってるよなぁと思って…(笑)
被るし、幾何学模様らしさとか特徴を活かせないのでは。と思って、作り替えました。
それこそ、昨年の11月に復活のイベントから全組オリジナルバンドで開催しているのですが、そういったバンドを見ているうちに「このバンドはどうやったら売れるんだろう」「この人たちと一緒にもっといい景色を見たい」と思うようになって…じゃあ、自分は「このバンドたちを売れるところまで連れて行くのを仕事にしよう」と決め、そこからこのコンセプトが生まれました。」

-”楽しむ” ”繋がりをつくる”といったポイントから、少しずつ”売れる”といった具体的な目標に変わっていったんですね。
「そうですね。コロナ禍になる前は趣味感覚でバンドをされてる方も多くて、コピーバンドも混ぜつつ開催していたんですけど、コロナ禍になってそういったバンドは消え去ったじゃないですか。でも活動を再開させるにあたって幾何学模様も変えていかないとな、と思うようになって。
なので、昨年の復活イベントはすごくいいタイミングでしたね。」

-幾何学模様の特徴として、一般的なライブハウスでのライブイベントと比べた時に、出演バンドの数が多いなと思うのですが幾何学模様的にどういった目的があるのでしょうか?
「今は、ライブハウスのブッキングイベントとの差別化を意識してます。ライブハウスさんが開催されるイベントって4、5組くらいの出演だと思うんですけど、ライブハウスと同じことをしても、自分でイベントを開催する意味が薄れてしまうのではないかと思っているんです。そういう意味で組数を多くしているのと、あとは組数を多くすることでホール内に人がいない時間を作らせない、という目的もあります。
たとえお客さんがいなくて集客がコケちゃったとしても、演奏が始まる前にスタッフが楽屋に声かけに行くことでホールに人がいる状況を作って、バンドさんが気持ちよく演奏できる場を作れるように意識はしていますね。」

-毎回8、9組のバンドが出演する企画はあまりないと思います。
こちらとしても新しいバンドとの出会いがあったり、中には「FUZZに出てみたかった」と言ってくださる方もいらっしゃるので嬉しいです。
ライブハウス、アーティスト、お客様の目線からでも、新しい繋がりが生まれやすいのはとてもいいことなんじゃないかなと思います。

「前まではつながりを意識していたイベントなだけあって、そういった繋がりが生まれるのは嬉しいですし、一回のイベントで増えるつながりの量が多かったら、濃い、というかより楽しく、思い出に残るんじゃないかなと思うので…そういったところも感じ取ってもらえればと思います。」

-これだけ組数が多いと、ブッキングからタイムテーブルの作成まで、大変なこと、悩むことが多いんじゃないかなと思うのですが、そういったところはいかがでしょうか?

「ブッキングしているときも、タイムテーブルを作成している時もそうなんですけど、当日を思い浮かべながら作業している時間がとても楽しいんですよ。
自分の中では、本当に売れてほしいと自分が思えるアーティストさんを探したい、という意味でも幾何学模様をこれだけの量やってたりするので。
あとは、自分の中では発掘的な要素もあって…実際にライブをみたら予想以上にかっこい!とか、感動するくらい思うときもあって…そういう瞬間が楽しくて仕方ないです。
いいなと思ったバンドさんを見つけた時に「このバンドが何が足りなくて売れてないんだろう….」とか考えるのも好きですね。

-イベントを開催するうえで、一番大事なところだなと思います。
自分の”好き”だけでイベントを続けていらっしゃる方も多い中で「バンドを育てる」「応援する」といった目線で続けられるのは幾何学模様の強みであると思うし、何よりMISAKIちゃんらしさが全面に押し出されていて本当に素敵だなと。
ブッキングを続けていれば楽しい、好き、といった感情だけでは乗り越えられない壁もとぶつかる事も多いとは思いますが、そこを毎回超えてくるあたりに信念を感じるんです。
これからもっともっと大きくなっていってほしいと思う要因であるし、これからもFUZZとして精一杯サポートしていきたいです。

「幾何学模様、5周年に向けて」


-今年の11月で4周年目を迎える幾何学模様ですが、5周年目に向けての目標などはありますか?
「5周年目に向けての目標は…まずひとつは、アーティストを本気で応援できる体制をしっかり整えていきたいですね…SNSでのPRやマーケティングの面でサポートできたらなと思って、私自身も勉強しているところです。
それから、いいバンドさんともっと出会っていきたいと思いますし…インディーズバンドのファンを増やしたいですね。
同年代でもライブハウスのことを知らない人が多すぎると思うので、もっと知ってほしいなと思うし、そこの架け橋に自分がなりたいと思っています。
私はライブハウスが大好きなので、ライブハウスに人が溢れているところを自分の手で作りたいし、そう言った意味では、幾何学模様としてよりライブハウスを活性化するお手伝いもしていきたいです。

あとは、最近野外でのイベントに幾何学模様が担当するステージを設けてもらえたことがあったりしたんですけど、そういった機会も増やしていきたいです。アーティストさんがライブハウスにいる人以外にアプローチできるような手段を考えていけたらなと思っています。
ずっと一人で動かしてきたんですけど、最近は手伝ってくれるスタッフも増えてきて、どんどん土台はできてきていると思っています。」

-ライブハウスのことを大事に思ってくれているのは本当に嬉しいし、これまでに無い新しい風が吹きそうで楽しみです。
スタッフが増えたり、ライブハウス外での活動を積極的にしたりと、視野を広く、周りを巻き込めて動けているのがとても良い流れに乗れているんじゃないかなと思います。

「今一緒に活動しているスタッフは沖縄、佐賀、北海道から来てくれています。全国からイベンターを目指して関西に来た方に幾何学模様のスタッフとして入ってもらっていて。全員の熱意を合わせてより良い団体の形にしていきたいなと思っています。
いずれは幾何学模様で起業したいとも考えていて…それが理由で大学に進学して、経営を勉強しているんですよ。」

-すごい。本当に、文字どおり全国から。
「でも実は、3人とも幾何学模様がきっかけで出会ったわけではないんです。友達、バンドマンを介しての紹介だったり、私が別で参加している学生団体で出会って仲良くなったり、みたいな。本気でイベンターになるぞ、という思いで関西に集まってきた熱意に魅力を感じてスカウトしたんですよ。
大阪でもスタッフやりたい!、と言ってくださる方はいらっしゃるんですが、断ってきています。
「将来的に本気でイベンターになりたい、イベントをより良くしていきたい」と自分も相手も思い合える方じゃないと長続きしないと思うので…線引きはしっかりしていますね。
今のメンバーで自分達にしかできないことを模索して、しっかり発信していきたいです。

最後に


-最後に「アーティストのなりたい姿を応援する」というコンセプトに対して、今思い描いている将来的の夢や目標をお聞かせいただけるでしょうか。
「将来的にはインディーズレーベルを作りたいなと思っています。
あと今は仕事にできるくらいにSNSを勉強したいと思っていて、いずれはそういったSNS関連に特化した事務所も持ちたいです。そこからバンドさんをサポートできるようなかたちにしたいなと思っています。
あとは、今企業さんと同世代の学生と一緒にフェスの企画をしていて、そこで代表をさせてもらっているんですが
実際にプロのアーティストさんとの打ち合わせやブッキングを経験させてもらったりしているので
そういった経験を活かして今後自分の会社でもフェスの企画をしていきたいなと思っています。」

-ありがとうございます。長い道のりにはなるかと思うのですが、その日を楽しみにしています。
それでは、インタビューをご覧いただいている方にメッセージをお願いします!

「はい。まずはここまでご覧いただき本当にありがとうございました。
まだ幾何学模様を知らないアーティストの方には一度、幾何学模様というイベントを体感してみてほしいなと思いますし、是非遊びに来てほしいなと思っています!」
10/29、30、11/5に三国ヶ丘FUZZにて次回の幾何学模様が開催されるので、お会いできるのを楽しみにしてます!」

-ありがとうございました!
改めて、4周年おめでとうございます!
これからも一緒に楽しいイベントをつくっていきましょう!


ライブ情報

2022.10.29(Sat.) 
「幾何学模様×三国ヶ丘FUZZ」

OPEN 14:00 / START 14:30
TICKET ¥1500+1D¥500

Upside down / PENGUINS / Now Loading… / SOULGONG / CRYSOON
Dr.Largo / sands / infinite sentimeter / Origin’s note

2022.10.30(Sun.) 
「幾何学模様×三国ヶ丘FUZZ」

OPEN 14:00 / START 14:30
TICKET ¥1500+1D¥500

WithRungeer / CARKLAND / Curiosity. / Alice Kitela
Cleo / 娯楽 / ferdiland / Sidetown


幾何学模様
HP:https://kikagakumoyoumisak.wixsite.com/kikagakumoyou
Twitter:https://twitter.com/kikagakumoyou_

代表:MISAKI
Twitter:https://twitter.com/misaki_bass_
note:https://note.com/misaki_bass_/n/n5aa5fafa1e6a

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